膵炎
急性膵炎
急性膵炎は膵臓で分泌される膵液に含まれているタンパク質消化酵素が何らかの原因で活性化し、膵臓そのものが消化されてしまう(自己消化)疾患です。膵の自己消化が急速に進行すると、炎症が膵臓だけにとどまらず全身に影響を及ぼすようになり、腎臓、肺、肝臓、心臓などの重要臓器の障害をきたします。
急性膵炎を引き起こす原因で最も多いのはアルコールの大量摂取によるものです(アルコール性)。大量に飲酒される方は注意が必要です。
上腹部の急性腹痛発作や背中の痛みが出現し、吐き気や嘔吐、発熱を伴うこともあり、重症例では呼吸困難、意識障害もあらわれます。
慢性膵炎
膵臓に繰り返し炎症が起こることにより、膵臓の細胞が破壊されて膵臓が萎縮していく病気です。
飲酒以外に最近、自己免疫性膵炎という特殊な原因と経過を示す慢性膵炎の存在も知られるようになりました。
慢性膵炎の症状は、腹痛や背部痛が主な症状です。特に背部痛が特徴です。膵炎があると膵臓がんを発生する確率が高くなります。早期の膵臓がんを発見することは現在では困難です。膵炎と診断されたことのある方はこまめに画像診断を受けましょう。